病院や療養所で過ごす時間を快適にするために凝らされてきた工夫は、今のおうち時間を心地よく過ごすためのヒントとして役立てることが沢山出来るのでは？と思い、今回のブログテーマを決めました。
現在世田谷美術館で開催中（2021年6月20日まで）の「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」展では、アアルト夫妻が手がけたフィンランドのトゥルクの郊外にある、パイミオのサナトリウム（結核療養所）についての展示も含まれているそうです。
（展示案内について詳細は、世田谷美術館ウェブサイトをご覧ください。）
1933年に完成したこの療養所は、患者の方々がなるべく心地よく過ごせる工夫に溢れています。 人によりそうデザインを実践したアアルト夫妻の功績に触れながら、今の普段の暮らしに役立てるアイデアを見つけていきます。
Photo by STGO web CC BY-NC-SA 2.0
建築家のアルヴァ・アアルトによって設計された結核の療養所であるパイミオのサナトリウム。
結核とは、結核菌による感染症です。かつては日本でも亡くなる原因の1位だったほどの病気でした。
1940年代以降化学療法が行われるようになり、現在は治療薬が開発され完治が見込める病気です。
アアルトの手がけたパイミオのサナトリウムが完成したのは1933年。化学療法以前の時期になります。
サナトリウム（結核療養所）は結核対策を担う重要な施設で、結核を患った人々を隔離し、空気の綺麗な場所で栄養をとり、長い期間過ごしていくなかで治療を行う場所でした。
パイミオのサナトリウムは、アルヴァ・アアルトとアイノ・アアルトの二人の連名で出したコンペで一位をとって手がけることになったものです。
建築はアルヴァ・アアルト、家具そのもののデザインやインテリアについてはアイノ・アアルトが主に担当したといわれています。
Photo by Geson Rathnow CC BY-NC-SA 2.0
長い隔離生活を送る結核患者を想う細やかな心遣いの行き届いた、閉ざされた空間で心地よく過ごすためのデザインをパイミオのサナトリウムの例を見ながら追っていきましょう。
まず、アアルト夫妻によるパイミオのサナトリウムで画期的な試みであったのが、医者を第一に考えるのではなく、患者がいかに心地よく治療の中過ごせるか、「患者のためのデザイン」設計を第一に考えた点になります。
森に囲まれた静かな場所に建てられたサナトリウムは、日光を可能な限り取り込むための設計をしており、病室にも大きな窓、外が見えるエレベーター、日光浴が出来るテラスなどが備えられました。
足元から天井近くまである大きな窓、やさしい色彩の病室
Photo by Leon CC BY 2.0
Photo by Leon CC BY 2.0
カーテンはシエナ柄が使われています。
Photo by Geson Rathnow CC BY-NC-SA 2.0
日光浴が出来る森が見渡せるテラス
Tiina Rajala, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
外の森が見える透明エレベーター
Photo by Geson Rathnow CC BY-NC-SA 2.0
私も連続して2か月ぐらい病室にいた事が10代の頃あるのですが、日光もですが、入院中外が見えるってとても嬉しいことだなぁと思います。
外の空気と触れ合えるのは、渡り廊下ぐらいだったし（個室の時もあまり窓開けたりしなかったな、、汗）、やっぱり外の景色を見れるのは良い気分転換になるのではと。
普段使うエレベーターや廊下や階段からでも外を見れたら嬉しく思います。
Photo by Geson Rathnow CC BY-NC-SA 2.0
落ち着いた黄色と青の階段で気持ちも明るくなれそう。歩きやすい段差が抑えられた設計だそうです。
大きな窓のある踊り場には観葉植物が。
日本の病院だと病室にお花とか持ち込んではいけない所もあると思うのですが、やっぱり室内に置く植物はいいな、と思いました。（最近ではフェイクグリーンやフェイクフラワーも、より広く素敵なものが出ている気がします。）
このサナトリウムのためにデザインされた、パイミオチェアは、患者が呼吸しやすいよう、人間工学に基づいた設計をされているそうです。
Photo by Rory Hyde CC BY-NC-SA 2.0
ほかにも、間接照明を選んだり、光を取り込む一方、空間が明るくなりすぎないようにする工夫、音が大きくならないようにコンパクトな大きさのシンクを病室に設置するなど、使いやすく心地よく過ごしやすい様々な工夫に満ちた空間作りが行われました。
Photo by Jonas Forth CC BY-ND 2.0
Photo by Geson Rathnow CC BY-NC-SA 2.0
Photo by CiTyBee2012 CC BY-NC-SA 2.0
ここまでパイミオのサナトリウムで見られる、快適に過ごすための工夫を見てきていかがでしたでしょうか。
派手ではないけれど明るい気持ちになれるような色使い、光を取り込む工夫、外の自然と繋がる工夫など、このサナトリウムでアアルト夫妻によって取り入れられた細やかな心遣いに満ちたデザインから学びながら、普段の自分の住まいの心地よい環境作りに役立てられる事は多くありそうです。
イケアの製品でコーディネートした空間は、ほっと落ち着ける雰囲気や小児科らしいポップな明るい雰囲気も心地よいですね。
白樺のフロアも、やさしい柔らかな雰囲気です。
診察スペースも、診療所というよりは、プライベートな素敵なお部屋な雰囲気で。
楽しくリラックス出来る空間に、診療所とはいえ、心がが休まりそうです。
また、全国にあるこども病院の内装が見て取れるリンクも少し載せておきます。
宮城県立こども病院 こどもの視点に立った医療環境づくり
それから、2007年に神戸で北欧白夜祭という北欧関連イベントがあり、その中でスウェーデンのこども病院が明るくカラフルな内装だというお話を聞いたのが、とても心に残っています。
人形などを使って、プレイセラピーを行い、病気の理解を深めたり、心のケアをするというお話も印象的でした。
![プレイセラピー こどもの病院＆教育環境 [ 野村みどり ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/0861/9784767700861.jpg?_ex=128x128)
プレイセラピー こどもの病院＆教育環境 [ 野村みどり ]
また、冬の日照時間の短い北欧の人々は、家の中で明るい気持ちで過ごせるような工夫も一段とされているのかもしれません。
明るいという印象でカラフルな先入観を勝手に持ってしまっていたけれど、実際の北欧のインテリアは、白を基調にするなど暗くなり過ぎないコーディネートにしたり、ふとしたひと時にキャンドルの灯りをともしたり。
LE KLINT (レ・クリント) キャンドルライト オーク北欧/インテリア/照明/間接照明
ミニマルで心地よい落ち着くお部屋作りをされているのだなぁ、とインスタグラムやインテリアウェブサイトを見ていて感じています。
ちなみに。。
↑独身時代のインテリアにあまり関心がなかった時代の私の部屋、、笑 北欧やイギリスなどの生地をパネルにしたり飾ったお部屋でしたが、統一感はないけれど、好きなものに囲まれた感覚が落ち着きました。
長く過ごしても、心地よくいれるお部屋について、病院の内装のお話なども手掛かりにこれからも考えていけたらいいなぁ、と思っています。まとめ：心と体にやさしいデザインから学んでいきたい
Photo by Leon CC BY 2.0
ここまで、アアルト夫妻によるパイミオのサナトリウムの事例を中心に、使う人を思って作られたデザインをご紹介してきました。
心や体を大切に思いやるデザインを通して、今の生活環境においてもケアすると良いことが少しわかった気がします。
色彩や植物のちから、自然との繋がりなども、日々のインテリア作りにおいても取り入れてみたいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
おまけ：お部屋に生花が取り入れられなくても
様々な理由で鉢植えや生花など室内に取り込むのが難しいこともあるかと思います。
そういった場合は、フェイクグリーンやフェイクフラワー、お花の柄のアートポスターなど、植物に関するアイテムを取り入れてみてもいいかもしれません
【造花です】 NEW!! ウンベラータ × 茶色エッグ陶器鉢セット ハート葉っぱ ウンベラータのフェイク 美しい樹形♪ 人工観葉植物 光触媒 ウランベータ 日傘 ウエルカムディスプレー ゴムノキ ゴムの木 イミテーション
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以前北欧好きで一時留学したり、旅行したり、北欧生地や雑貨を売るお店で店員をしていました。結構北欧好きなので、色々と情報を集めてこれからも知っていきたいと思っています！
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インスタグラムで、『イタリアに住む主婦の初心者イタリア語🔰&雑談アカ🇮🇹』を投稿しています。大体普段の生活から思いついたイタリア語を取り上げて、色々と説明させていただいております。
ぜひこちらもフォローいただけましたら幸いです。
（展示案内について詳細は、世田谷美術館ウェブサイトをご覧ください。）
1933年に完成したこの療養所は、患者の方々がなるべく心地よく過ごせる工夫に溢れています。 人によりそうデザインを実践したアアルト夫妻の功績に触れながら、今の普段の暮らしに役立てるアイデアを見つけていきます。
アアルト夫妻の手がけたパイミオのサナトリウムとは
Photo by STGO web CC BY-NC-SA 2.0
建築家のアルヴァ・アアルトによって設計された結核の療養所であるパイミオのサナトリウム。
結核とは、結核菌による感染症です。かつては日本でも亡くなる原因の1位だったほどの病気でした。
1940年代以降化学療法が行われるようになり、現在は治療薬が開発され完治が見込める病気です。
アアルトの手がけたパイミオのサナトリウムが完成したのは1933年。化学療法以前の時期になります。
サナトリウム（結核療養所）は結核対策を担う重要な施設で、結核を患った人々を隔離し、空気の綺麗な場所で栄養をとり、長い期間過ごしていくなかで治療を行う場所でした。
パイミオのサナトリウムは、アルヴァ・アアルトとアイノ・アアルトの二人の連名で出したコンペで一位をとって手がけることになったものです。
建築はアルヴァ・アアルト、家具そのもののデザインやインテリアについてはアイノ・アアルトが主に担当したといわれています。
Photo by Geson Rathnow CC BY-NC-SA 2.0
長い隔離生活を送る結核患者を想う細やかな心遣いの行き届いた、閉ざされた空間で心地よく過ごすためのデザインをパイミオのサナトリウムの例を見ながら追っていきましょう。
アアルト夫妻により作り出された心地よい環境
まず、アアルト夫妻によるパイミオのサナトリウムで画期的な試みであったのが、医者を第一に考えるのではなく、患者がいかに心地よく治療の中過ごせるか、「患者のためのデザイン」設計を第一に考えた点になります。
森に囲まれた静かな場所に建てられたサナトリウムは、日光を可能な限り取り込むための設計をしており、病室にも大きな窓、外が見えるエレベーター、日光浴が出来るテラスなどが備えられました。
足元から天井近くまである大きな窓、やさしい色彩の病室
Photo by Leon CC BY 2.0
Photo by Leon CC BY 2.0
カーテンはシエナ柄が使われています。
Photo by Geson Rathnow CC BY-NC-SA 2.0
日光浴が出来る森が見渡せるテラス
Tiina Rajala, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
外の森が見える透明エレベーター
Photo by Geson Rathnow CC BY-NC-SA 2.0
私も連続して2か月ぐらい病室にいた事が10代の頃あるのですが、日光もですが、入院中外が見えるってとても嬉しいことだなぁと思います。
外の空気と触れ合えるのは、渡り廊下ぐらいだったし（個室の時もあまり窓開けたりしなかったな、、汗）、やっぱり外の景色を見れるのは良い気分転換になるのではと。
普段使うエレベーターや廊下や階段からでも外を見れたら嬉しく思います。
Photo by Geson Rathnow CC BY-NC-SA 2.0
落ち着いた黄色と青の階段で気持ちも明るくなれそう。歩きやすい段差が抑えられた設計だそうです。
大きな窓のある踊り場には観葉植物が。
日本の病院だと病室にお花とか持ち込んではいけない所もあると思うのですが、やっぱり室内に置く植物はいいな、と思いました。（最近ではフェイクグリーンやフェイクフラワーも、より広く素敵なものが出ている気がします。）
このサナトリウムのためにデザインされた、パイミオチェアは、患者が呼吸しやすいよう、人間工学に基づいた設計をされているそうです。
Photo by Rory Hyde CC BY-NC-SA 2.0
ほかにも、間接照明を選んだり、光を取り込む一方、空間が明るくなりすぎないようにする工夫、音が大きくならないようにコンパクトな大きさのシンクを病室に設置するなど、使いやすく心地よく過ごしやすい様々な工夫に満ちた空間作りが行われました。
Photo by Jonas Forth CC BY-ND 2.0
Photo by Geson Rathnow CC BY-NC-SA 2.0
Photo by CiTyBee2012 CC BY-NC-SA 2.0
ここまでパイミオのサナトリウムで見られる、快適に過ごすための工夫を見てきていかがでしたでしょうか。
派手ではないけれど明るい気持ちになれるような色使い、光を取り込む工夫、外の自然と繋がる工夫など、このサナトリウムでアアルト夫妻によって取り入れられた細やかな心遣いに満ちたデザインから学びながら、普段の自分の住まいの心地よい環境作りに役立てられる事は多くありそうです。
日本の病院の内装の素敵な事例もご紹介
現在の日本の病院でも、明るい気持ちになれるような北欧スタイルの内装をされている所はどんな所があるのかな？と見つけたのが、こちらの診療所です。イケアの製品でコーディネートした空間は、ほっと落ち着ける雰囲気や小児科らしいポップな明るい雰囲気も心地よいですね。
白樺のフロアも、やさしい柔らかな雰囲気です。
診察スペースも、診療所というよりは、プライベートな素敵なお部屋な雰囲気で。
楽しくリラックス出来る空間に、診療所とはいえ、心がが休まりそうです。
また、全国にあるこども病院の内装が見て取れるリンクも少し載せておきます。
宮城県立こども病院 こどもの視点に立った医療環境づくり
それから、2007年に神戸で北欧白夜祭という北欧関連イベントがあり、その中でスウェーデンのこども病院が明るくカラフルな内装だというお話を聞いたのが、とても心に残っています。
人形などを使って、プレイセラピーを行い、病気の理解を深めたり、心のケアをするというお話も印象的でした。
プレイセラピー こどもの病院＆教育環境 [ 野村みどり ]
また、冬の日照時間の短い北欧の人々は、家の中で明るい気持ちで過ごせるような工夫も一段とされているのかもしれません。
明るいという印象でカラフルな先入観を勝手に持ってしまっていたけれど、実際の北欧のインテリアは、白を基調にするなど暗くなり過ぎないコーディネートにしたり、ふとしたひと時にキャンドルの灯りをともしたり。
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ミニマルで心地よい落ち着くお部屋作りをされているのだなぁ、とインスタグラムやインテリアウェブサイトを見ていて感じています。
ちなみに。。
↑独身時代のインテリアにあまり関心がなかった時代の私の部屋、、笑 北欧やイギリスなどの生地をパネルにしたり飾ったお部屋でしたが、統一感はないけれど、好きなものに囲まれた感覚が落ち着きました。
長く過ごしても、心地よくいれるお部屋について、病院の内装のお話なども手掛かりにこれからも考えていけたらいいなぁ、と思っています。
まとめ：心と体にやさしいデザインから学んでいきたい
Photo by Leon CC BY 2.0
ここまで、アアルト夫妻によるパイミオのサナトリウムの事例を中心に、使う人を思って作られたデザインをご紹介してきました。
心や体を大切に思いやるデザインを通して、今の生活環境においてもケアすると良いことが少しわかった気がします。
色彩や植物のちから、自然との繋がりなども、日々のインテリア作りにおいても取り入れてみたいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
おまけ：お部屋に生花が取り入れられなくても
様々な理由で鉢植えや生花など室内に取り込むのが難しいこともあるかと思います。
そういった場合は、フェイクグリーンやフェイクフラワー、お花の柄のアートポスターなど、植物に関するアイテムを取り入れてみてもいいかもしれません
【造花です】 NEW!! ウンベラータ × 茶色エッグ陶器鉢セット ハート葉っぱ ウンベラータのフェイク 美しい樹形♪ 人工観葉植物 光触媒 ウランベータ 日傘 ウエルカムディスプレー ゴムノキ ゴムの木 イミテーション
ダンフイ ナイ フラワーアート ミニゲル アートフレーム コースタル フローラル2 19.5x24.5cm ギフト 額付き ポスター インテリアグッズ 取寄品 シネマコレクション
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