2021年11月下旬に2年住んだイタリアから帰国して1年あまりが過ぎました。
夫は私が日本で就職してからの配偶者ビザ取得だったので、8か月程先の2022年7月に日本移住して今日本に住んで7か月目です。
私がイタリアにいた2年間はコロナが蔓延で元気なイタリアを見て回ることはほぼ正直出来なかったんですが(ひとけのないばかり場所ばかり見つけては行っていた。。。💦)
私の帰国前に、ウンブリアの世界遺産、アッシジの街にどうしても行きたくて、1人では車も出せないので色々と助けてもらいつつ、トスカーナのマレンマ地方からアッシジまで2泊3日の日程で旅をさせてもらいました。
今日はその時の思い出、アッシジのことを書こうと思います。

はじめに。。アッシジの聖フランチェスコについて

アッシジに行きたいと思ったきっかけは、キリスト教絡みでした。彼は12世紀から13世紀にかけて神の教えを説いた、アッシジ出身の修道士でイタリアの守護聖人になった人です。彼のことは、幼稚園、中高とカトリックの学校だったにも関わらず(しかもフランシスコ会の学校でした 汗)、イタリアに来てからお話を知って感銘を受けました。

裕福な商人の息子だったにも関わらず、清貧の思想に生きた人で、神の被造物である生き物たちと心を通い合わせた人物だったとか。

Giotto_-_Sermon_to_the_Birds

神について説教する人がいないとき、小鳥たちに話しかけたという逸話の絵

こちらの絵はサン・フランチェスコ大聖堂の壁に描かれているフレスコ画、28枚から成る連作の1枚で、描いたのはジョットです。

こうしたイメージを事前に持って訪れたウンブリア、ペルージャ県にあるアッシジの街の様子を以下ご紹介します。

アッシジの町へ

アッシジは聖フランチェスコの生誕地であり、カトリック信者の巡礼地として人気があります。
また、フランチェスコ聖堂と関連修道施設群としてユネスコの世界遺産に登録されているなど、範囲は小さいながらかなりの見ごたえがある町です。



アッシジに行くにはローマやフィレンツェから列車で2時間以上かかる上に、鉄道駅からもバスを使う距離、、でも訪れた方々は皆きっと満たされて帰られるだろうなあ、と思った場所でした。

雲海を抜けて

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アッシジは丘の上にある町で、現代的な駐車場に車を入れてエレベーターで町まで上がっていきます。
こちらがアッシジの町に通じる階まで上がったところのエレベーター乗り場で、眼下には雲海が広がっています。
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こちらが帰りにアッシジの町がある丘を見上げた時に撮った丘の全体写真です。
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丘にのぼった後も、町の中は坂が続いていきます。

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閉まっていた別のエスカレーターの入口には、なぜか聖フランチェスコの言葉がボードに書かれていました。
はじめは必要なことをして、次第にできることをして、やがて不可能だったことをしていることに気付く...要約するとそのようなことが書かれていました。(さらっと夫に訳してもらいました 笑)

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アッシジの町の中でも、サンタ・キアラ聖堂に程近いPORTA NUOVA(新しい門の意)を通り、町の中にいよいよ入場。

サンタ・キアラ聖堂

町中に入って歩き進め、1番に目に飛び込んできた大きな淡いピンク色の教会がサンタ・キアラ聖堂でした。

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サンタ・キアラは、アッシジ生まれの聖人で、聖フランチェスコの話をアッシジの路上で耳にし心を動かされたことをきっかけに、修道女としての人生を歩みはじめたそうです。
聖フランチェスコへの忠誠で知られ、彼が亡くなるまで世話をしたのも彼女だったとのこと。

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△アッシジの町中で見つけた壁画。左の女性が聖キアラで右の男性が聖フランチェスコでしょうか。。

教会に使われているピンク色の石は、Pietra rosa di Assisiと呼ばれるアッシジの東側のスバシオ山から採れるライムストーンだそう。
このピンクベージュの石を使った教会建築をアッシジでは見ることが出来ます。
近くで見るととても大きな教会で、ダイナミックなのに可愛らしい印象の素敵な外観に思いました。
中は実は観ていないのですが、、、帰国後写真撮影など可能な必見スポットだとネットで読みました(爆)また現地に住めたら是非その時にと思っています。

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サンタ・キアラ大聖堂の前は展望台となる広場になっていて、景色を眺めてまったりするにもおすすめの場所でした。▽
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アッシジのサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会

サンタ・キアラ聖堂から、聖フランチェスコ聖堂に抜けるメイン通りに面した場所、町の中心で見かけたのがサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会です。


こちらの教会はもともとは古代ローマ、1世紀に建てられた教会だそうで外観は柱が伸びた古代ローマ時代の外観を保っていてこちらも壮観です。
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教会側から見た大通りを望んだらこんな感じに
ちなみに教会についている名前ミネルヴァは古代ローマの女神の名に由来していて、ギリシャ神話のアテナと同一視された知恵や戦いに関する女神のことだそうです。

中の教会は16世紀に建てられたのちに17世紀にバロック様式にリノベーションされたとのことで、豪華で緻密、精巧な装飾でデコレートされていて、可憐な印象を持ちました。
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こちらの教会内にあった確か告解室(神父さまにお互いの顔が見えないように話を聞いてもらう箱のこと、名前は今回初めて知りました💦)だったと思うのですが、そちらにあったこちらのマークも、聖サンフランチェスコに関連したものだそうです。
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IL TAUと呼ばれるこのマークは、聖フランチェスコが手紙などにサインとして好んで使っていたもので、ヘブライ語の最後の文字だそう。聖書の中で救済の意味合いで使われている箇所があるのだとか。
(参考URL Il Tau


ユニークな古い壁画が観れる場所

サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会のお向かい、通りの反対側にVolta pintaという16世紀に描かれたとされる古い壁画が描かれた一角があります。
お昼間にたまたま見つけてラッキーでしたが、夜には素敵なライトアップもされているそう。

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これらの絵は、神話や伝説から着想を得た動物や自然のモチーフだそうです。
1つ1つのストーリーはそれらの知識がないので理解は及びませんでしたが、表情豊かな鳥など動物好きの私にはキュンとくるポイントでした。


それから、もう1つ行きたかった博物館Domus romana detta casa di properzioは、地下にある古代ローマ時代の遺跡が保存された博物館。
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コロナ禍なこともあり訪れた2021年11月にはその場で見学することはできませんでした。
私はもう少し古代ローマについて前知識をつけてから、お目当ての鳥さんの壁画を見る日を夢見ています(*'ω';)
他にも、こちらの博物館が地下にあるローマ時代の地下遺跡博物館とのことで前回は行けずでしたが興味津々。

地下にある遺跡が博物館になっているなんて豪華で素敵だなぁと思います。

アッシジのPanificioパン屋さん

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お目当ての聖フランチェスコ聖堂に辿り着く道で出会ったのが、こちらのパンやさんに並ぶロッチャータ(Rocciata)という菓子パン。
以前スウェーデン現地のレシピを使ってシナモンロール(Kanelbulle)を作った時、パンというよりは固めの、少しやわらかいクッキー生地のような生地のパンになったことがあるのですが、こちらもパンというよりは生地を焼いたもので甘いフィリングを包んだもののような印象でした。
具はりんごや干しぶどう、レモン、干しいちじくなどフルーツ類や、松の実、くるみ、アーモンドなどのナッツ類をヴィン・サント(甘いデザートワイン)やラム酒で漬けてシナモンなどのスパイスを加えたものが主なようです。(→ざっとricetta Rocciata di Assisiで検索してレシピを見比べてみましたが色々違いがあるようでした) 私は甘いものやシナモン、甘いデザート酒の味が好きなので初めて食べてみましたが美味しかったです
ちなみに購入しなかったけれど、写真上部のPane di St.Francesco(聖フランチェスコのパン)はレーズンやレモンピールが入った小麦パンだそうです。

アッシジの聖フランチェスコ聖堂

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サンタ・キアラ聖堂から町中を15分ほど歩いて見えてくるのが、聖フランチェスコ聖堂です。
こちらの芝生上に書かれた『PAX』というのはカトリック教会で交わされる挨拶で、ラテン語で「平和とともにありますように」の頭文字をとったアルファベットだといいます。

この日は秋空、淡い感じの背景でしたが、図書館で見つけたガイドブックでは夕焼け時の幻想的なピンク色に包まれる聖堂の写真が使われていました。

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外観はサンタ・キアラ聖堂と同様にピンクベージュ色のライムストーンが使用されています。

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遠く、眼下に望む緑の平原とグラデーションを帯びた石敷きデザイン
アーチ型の回廊が連なっています

こちらのウンブリア州による観光ウェブサイトに、詳しく説明が載っていて建築様式のことや建物の内部の様子のことなどを知ることが出来ました。

Basilica San Francesco ad Assisi | www.umbriatourism.it

『フランスのゴシック様式に影響を受けたウンブリアらしいバラ窓を持つ外観、月光のもとでは白く聖堂が浮かび上がる(抜粋)』とのことで、夜に歩くのも素敵な町なのだろうなあと、また行きたい気持ちが募りました。

聖堂の中はとても広く、芸術作品の中にいるような感覚を味わえる感じです。
館内は撮影禁止ですが、最初に触れた聖サンフランチェスコに関する壁画の連作が描かれていたり、細部まで丁寧に彩色された室内も、前知識がほぼゼロの状態で行ったのですが厳かに、でも心地よい気持ちになれる空間が広がっていました。

こちらはパブリックドメイン(wikipedia)で使用されている聖堂内の写真です。
地下階の聖サンフランチェスコのお墓
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私は教会建築、イタリアの歴史、宗教的な意味合いなど、90%以上まだまだ知ることも覚えることもできていなくて、パズルがなかなか嚙み合わない中この記録ブログを書いているのですが、それでも調べながら書いているとわかってくる事もあり、とても好奇心が刺激されたり、次はこのことを調べよう‼などやる気が出てきたりします💦
ある意味勉強、ある意味遊びな趣味のような。。
これから現地を訪れる方が私以上に良い体験をこちらの聖堂で出来ますように

聖フランチェスコ聖堂周辺の自然保護地区とその周辺

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聖フランチェスコ聖堂のすぐ隣は、自然保護団体によって管理された森に入ることが出来ます。

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聖フランチェスコ聖堂すぐ隣の小道を抜けると、6ユーロほどで入場できる管理された自然地区に入場できるのですが、私はその周辺の無料エリアを散策した程度でした。

Discover Bosco di San Francesco | FAI - Fondo per l'Ambiente italiano

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ユダヤ教、仏教、イスラム教のマークらしき図柄が。
私は仏教のマークも実は知らなかったのですが、法輪を示しているのだとか。
平和への願いが感じられるようなモニュメントに感じました。

おわりに

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夜にはライトアップで仄白く浮かび上がる旧市街を遠目に町を後に

ここまでアッシジの町、旧市街を訪れたことの記録を綴ってきました。
アッシジの町や聖フランチェスコに関する事柄は、私にとってとても興味を惹かれる事柄で、イタリアを離れた今も調べたり知ったりを繰り返していきたいテーマだったりします。
今回のブログはこちらまでです。

後日アッシジの教会群のある旧市街から離れた丘のふもと、徒歩で1時間ほど離れた場所にある、聖フランチェスコが神の声を聴いたという質素な礼拝堂だったという、ポルツィウンコラ礼拝堂のあるカトリック教徒が訪れる大事な教会、サンタ・マリア・デリ・アンジェリ聖堂のことや、泊まった教会横の古い建物をリノベーションされているだろうホテル(朝には耳栓なしだとすぐ隣から教会の鐘の音が聴こえて起きることになったり 笑 でもとてもリーズナブルなのによいホテルでした)やお食事したレストランのことにも触れられればと思います。

ここまで目を通していただきありがとうございました。


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