10月初旬にエミリア=ロマーニャに3泊4日で行ってきました。もうすぐイタリアを私は去るのですが、その前に住んでいるトスカーナ州以外にも遠出をしてみたく、個人的にとても行きたかったアルヴァ・アアルト設計の教会にも行けるしということで連れてってもらいました。 私は運転免許もないので夫の運転となりましたが、イタリア人の夫でもなかなか車の規制があったり、ナビがややこしかったりで車での長旅は大変そうでしたが、訪れた場所の中には電車でもアクセスしやすい場所もあります。 個人的な雑感旅日記となりますが、よかったらお付き合いいただければ嬉しいです。

エミリア=ロマーニャ3泊4日旅:1日目の旅プラン

トスカーナ南東部の自宅→リオラでアアルト建築の教会を見る→ポッジョ・レナティコの滞在先(本当はデキリコの描いたトレジガッロの町を教会の後寄る予定でしたが、遅くなったので次の日にまわす) トスカーナ州内の自宅を午前中に出発。
地図アプリによると、車で目的地のボローニャ県にあるリオラの町までは2時間30分ほど。

地元のスーパーのパンやさんコーナーでトマトとアンチョビのピザと、スキヤッチャをお昼用に買い、エミリア=ロマーニャ方面、北へ。
天気は地元でもあまりよくはなかったけれど、北へ行くほどこの日は小雨がちになり、曇り空に。
気温もどんどん低く感じられて、持ってきた毛布並みに温かいウールのショールに初日から助けられる。
夫によると、一般的にエミリア=ロマーニャのボローニャやフェッラーラのあたりは、トスカーナの海側より湿度が高く寒さも違うように感じられるそうだ。
すっかり秋、日本の今まで住んできた場所なら12月のようだと思いながら初エミリア=ロマーニャの空気感に触れる。
リオラの町までは高速道路を使ったけれど、途中美しい街並みのトスカーナ北部の町ピストイアを丘の上から見下ろすこともできた。

夫は子供の頃にピストイアの動物園に行ったことがあるそう。
ピストイアにある大きな美しいクーポラが高速道路から見えた時は、さすがにルネッサンスもよくわからない私も心躍ったし素晴らしいと思った。

1:アアルトのリオラ教会

高速道路で少し迷いながらも、リオラに到着。
アアルトの教会はどこだろう?と探しながら町に車で入っていくと、電車駅のすぐ横だった。
この場所なら電車でも目的地として来やすそう。

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ギザギザとしたタテガミのようなデザインの可愛い形のモダンな教会ながら、町の風景に自然と溶け込んでいるのがアアルトっぽいのかなあ、なんて建築論なんてわからないながらに思った。
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教会のすぐ隣は川が流れていて、山に点在する住宅を遠目に教会のある場所からは見えた。
アアルトは、この場所に実際に奥様のエリッサ・アアルトとリオラの教会を建てるために尽力した人々に招待されてこの地を視察したとのこと。
この日は曇りで、雨も少し降るような天気だったけれど、冬の長い北欧フィンランドと山間にあるリオラの天気は通じるものがあるのかもしれない。
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入口がどこかわからず、川の方からまわってみる。
トロピカルなイタリアを感じるお庭から見るギザギザ屋根もとても素敵だった。
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いつ自分で気付いたかよくわからないけれど、やはり工場の建物の光を採るギザギザの屋根のように、この教会もギザギザの部分から光を採る構造となっていた。
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なんだか動物みたいな可愛らしさが感じられる外観だけれど、アアルトの光を大事にする思いが込められているのかな。
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ぐるりとまわって、ほっとするような石の階段をおりると、教会への入り口があった。
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中はホワイトを基調としていて、シンプルでやさしい心地よさが感じられる空間だった。
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木の椅子、テラコッタ色のタイルのフロア、大理石のスロープの手すり、青いグレーの石の祭壇。 イタリアっぽさもなんだか感じられる。
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もともとアアルトはイタリア建築が好きでトスカーナ州にあるシエナ大聖堂からインスパイアされた、シエナというファブリックを作られているほどだけど、実際にイタリアにあるリオラに建てた教会だということで感慨深い。
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観葉植物にレンガの鉢を使っていたり、これも明るいイタリアの雰囲気だと思った。
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ひとつひとつの家具や装飾もアアルトによるデザインだという。
教会の木製椅子もとてもシンプルで、やわらかな雰囲気の空間にとても似合っている。
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内部のホワイトの柱はとてもモダンで大きくダイナミックな構図でスタイリッシュだけれど、やっぱりほっとする優しい雰囲気が強い。
柱に小さく装飾されている白い十字架もとても可愛かった。
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祭壇の隣には、礼拝堂があり、この日も熱心にお祈りされている方がいらした。 ほっとする温かみが感じられる空間で、神様と対話する時間を過ごす。 丸く角度をつけながらカットされている採光窓がこちらの場所にも備えられていて、空間は明るかった。
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私はキリスト教信者ではないけれど、それでもこの空間の空気感に守られているようなほっとする柔らかさを感じた。
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教会の前は広場で、イタリア国旗が掲げられているのはリオラでナチにより殺された方々を弔っている石碑があるからだった。
広場の側の建物も、ギザギザ屋根の教会をイメージされたデザインに装飾されていて、とても素敵だった。
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イタリアを愛したアアルトが、イタリアに建てた教会。 もともとはル・コルビジェに頼む案があったそうだけれど、最終的にアアルトに頼むことになったということ。 以前、シエナの生地のインスピレーションとなったトスカーナのシエナに行ったときに、アアルトってここであまりフューチャーされてないんだなあ、なんて個人的に感じたけれど、イタリアに建てたアアルト建築に触れられて本当に良かったと思った。

2:エミリア=ロマーニャ3泊4日旅:Poggio Renatico(ポッジョ・レナティコ)の滞在先まで

ボローニャ県のリオラから、フェッラーラ県のポッジョ・レナティコまでは、車で1時間半ほど。
もう午後の夕方前ぐらいの時間だったこともあり、行く予定だったトレジガッロの町は翌日に行くことに。
エミリア=ロマーニャ州には初めて来たけれど、ドライブしながら見る風景は果物の木を平地で栽培していたり(氷の雹から守るためにネットがかけられているそうだ)煉瓦づくりの建物が多かったり、住んでいるトスカーナのリヴォルノ県内のエリアとはまた全く違う雰囲気だった。
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夫の言葉を借りると「空が広い」とのこと。視界が開ける平野がとても素敵だった。

Poggio Renatico(ポッジョ・レナティコ)の滞在先は、一泊2人で約50ユーロ(約6500円)で朝食付きというリーズナブルさ、各訪れる町へのアクセスの良さ(電車駅からも近い)などから夫がBooking.comから見つけてきてくれたが、サイトの写真以上にとても素敵な建物だった。
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到着するまでわかっていなかったけれど門はオートロックで、昔このあたりで地位があったであろう方のお屋敷をコンドミニアムに改装したような印象の建物だった。
緑の庭も素敵だし、ガレージも使えて、使わなかったけれどエレベーターまでついていた。
自分の住んでいる地区でこんなつくりのコンドミニアムは見たことがなかったので、びっくりした。 建物については治安や警備的なこともあるのかもしれないし、場所をとれる地理的なこともあるのかもしれないけれど、素敵な体験が出来る場所に良い価格で泊まれてありがたかった。
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インテリアはモダンなつくりで、入ってすぐのダイニングリビングはいい感じの色味にピンクのアクセントカラーの壁、ダークブラウンのキッチンや棚、チェア、白いタイルのフロアタイルとパイル生地の大きなソファーなど、色のバランス感覚もとても素敵に思った。
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アフリカの女性たちが描かれたアートがかかっているのも、かっこいい。 奥にはバスタブとトイレ、ビデもあるグリーンがかったタイルのバスルーム、寝室もおしゃれな質感のアクセントクロスや、落ち着く絵画がかけられた空間で素敵だった。
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キッチンの棚や寝室の棚に本を色々と置いておられるのも、いいなあと思った。

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私はイタリア語の本を読めないけれど、1か月ぐらいゆっくり滞在するのにも楽しそうな場所だと思った。

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お部屋のオーナーさんが焼いてもってきてくださったというケーキも見つけて嬉しかった。

2:エミリア=ロマーニャ3泊4日旅:Poggio Renatico(ポッジョ・レナティコ)を少し散策

お部屋で少しゆっくりした後、Poggio Renatico(ポッジョ・レナティコ)の中心地まで歩いてみる。 ポッジョ・レナティコは、2012年5月に起こったイタリア北部地震で被害を受けた場所だということを知った。 イタリア北部地震については、ネットフリックスのドキュメンタリー番組でダメージを受けた大量のパルミジャーノレッジャーノを早急に料理にして振舞った料理人の方(モデナのレストランのシェフ)について観ていた程度だったけれど、地震から10年たってもダメージを受けたまま再建できない町のシンボルである時計台を見て悲しかった。
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時計自体は骨組みだけの状態で鐘は時間ごとになるようにされているのだけど、やはり地震による傷を感じてしまう。 翌日町から出かける際に駅の近くを車で通ったが、時計台を模したモニュメントがあった。
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イタリアも地震がある国だというのを改めて感じ、もうすぐ日本でまた住み始めるため防災についても改めて部屋に色々と用意しなくてはと思った。

3:エミリア=ロマーニャ3泊4日旅:レストラン「Trattoria Da Pippi」でエミリア=ロマーニャの食を味わう

夜は滞在先の目と鼻の先にあるレストラン、「Trattoria Da Pippi」でお食事させてもらった。 チェックインの際に電話で話したお部屋のオーナーさんもおすすめしていたと夫が話す。 アンティパストとして出てきたのは、エミリア=ロマーニャの豊かな食を感じるハム。
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そして、ふんわりと中が空洞になっている、グリルしたニョッコと揚げた「ニョッコ」。
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やわらかくて温かくてはじめて食べたけれど、美味しい。 酸っぱさを感じるピクルスが入ったホワイトソース、まろやかな茸ソース、甘いアプリコットを煮詰めたソース、クリームチーズなど、ニョッコにつけて食べる様々なソースも格別だった。
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クラシックなラグーソースのかぼちゃのトルテロー二も皮がしっかりしていて甘くて美味しかったし、オルティカ(Ortica)というハーブが生地に練り込んであるグリーンのトルテロー二もサルビアとバターのソースでいただいてさっぱりコクがあって美味しかった。 オルティカ(Ortica)は、日本語名だとイラクサ、英語名はネトルというそうで、夫は幼少期に過って足に触れてしまいかぶれたことがあるとのこと。 日本でも自生しているイラクサは西洋のイラクサとは違うそうだけれど、こちらも触れると強い痛みがあるそう。 美味しい食事として食べるならいいけれど、やっかいな雑草。 たっぷりと美味しい食事をいただけて、エミリア=ロマーニャ来れてよかったとしみじみと思った。

この日は食事の後すぐ部屋に戻り、テレビがあるので映画を見た。 イタリア語なので、私は映像を追っているだけだけど、この日は韓国の2000年代初頭ぐらいの映画が放送されていて眺めた。 韓国には行ったことがなくて最近の韓国インテリア、アイドルのトレンドを時々配信されている方々を通して知るぐらいの私だけれど(韓国料理はとっても好き)人や町の雰囲気もとても興味深かった。2000年代どんな時代だったんだろう。 住んでいた日本の2000年代も今見返すときっと新鮮なんだろうな、なんて思いながらこの日は就寝。 今回の旅日記はここまでです。後日続きを載せますm(__)m

目を通していただきありがとうございました。

★写真の一部はterraincognita.earthからの提供です。



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